二段ベッドの事故に付いての考察。 安心で安全な二段ベッドをお買い求め頂く為に…
令和6年7月20日神奈川県三浦市で発生した小学5年生の児童が二段ベッドから落下して意識不明の重体になっている事故に付いて二段ベッドの設計者の立場から考察していきたいと思います。
事故の内容に付いては「タウンニュース」でご確認下さい。
先ず始めに事故に遭われた児童の一日でも早い回復を祈念いたします。
それでは何故事故が起きたのかを考察していきましょう
事故が起きた施設の二段ベッドが設計された時代の二段ベッド
事故現場に採用されていた二段ベッドは恐らく昭和47年(1972年)の開所当時つまり50年以上前に製造された二段ベッドであると推測いたします。
二段ベッドの構造は私が家具の世界に入った39年前とほぼ同じでした。
当時の二段ベッドは本体の強度はそれなりに強いのですが床板の強度が弱く私が小学5年生(昭和57年)の時に床板を突き破って落下し、大怪我をしたのをつい昨日の様に覚えております。
ただ、今回の事例は二段ベッド本体の品質に問題が有ったのでは無く二段ベッドの「構造」に事故原因が有ると推察しています。
問題点は何処にあったのかと申しますと
では、構造の何処に問題が有ったのかと申しますと
1.上段に開口部が有り
2.梯子が垂直昇降式
3.梯子の踏み板の構造
以上の3点に事故原因がございます。
柵の高さは問題ございません。
各々説明させて頂きます。
上段に開口部
上段に開口部が有ると寝相によってはその隙間から滑り落ちてしまいます。
ただし、この可能性はかなり低く一般的に開口部はそれ程幅が無いので人が落ちる事は少ないと思います。
梯子が垂直昇降式
私は個人的に梯子に主な原因が有ると考えています。
事故は夜半に起こっており恐らく二段ベッドから降りる時にバランスを崩し頭から落下したのでは無いかと思います。
垂直梯子は常に全体重が背中側に掛かる為、少しでもバランスを崩すと即落下事故に繋がります。
また、この時尻もちを搗くのですが勢いが付いているので後頭部を床に打ち付けてしまいます。
梯子の踏み板の構造
2で説明した状況を更に悪化もしくは発生しやすくするのが梯子の上り下り時に踏ん張るべき部分の踏み板の構造にも問題が有り円柱状の金属パイプが溶接されている構造です。
平らな部分が無いのでバランスを崩し易く垂直梯子との相乗効果で更に事故の確率が上がります。
因みにこちらが事故が起こった二段ベッドと同型の二段ベッドです。
まとめの話
私の結論としましては上段の開口部が無く梯子が安全性の高い斜め掛けの梯子又は階段式の二段ベッドなら今回の事故は起こらなかったと思います。
マルトク家具の店長中村が設計する二段ベッドは最初からこの様な事態を想定して設計しております。
一般的な二段ベッドより高い柵の高さ、上段には絶対に開口部を設けない、垂直昇降式の梯子はお勧めしないと言う事を徹底しております。
ただ、垂直梯子は特に宿泊施設では採用事例が多いのが事実で、どうしても採用せざるを得ない場合は構造的に強度を増やし可能な限り安全性に配慮して設計しています。
安全性を最優先に考えて頂けるのなら斜めが掛けの梯子が費用対効果も考えると最良だと思っております。
一度事故が起こってしまえば取り返しがつか無い事態になりますので二段ベッドは【頑丈/丈夫】で【正しく安全性を理解した人が設計する】商品をご検討頂ければと思います。
本来、二段ベッドは正しく設計された商品なら安全性は高いです。
しかし二段ベッドの何たるかを理解しないままデザインだけだったり製造原価のみを追求すると頑丈で安全な二段ベッドとは掛け離れた物になってしまいます。
二段ベッドをご購入の際には以上の事をご理解頂き検討して頂ければと思います。
二段ベッドに付いてのコラム記事を作りました!
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